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湖国の春
 近江を初めて旅したのは大学生時代だ。当時私は戦国時代の歴史に興味を持っており、織田信長・豊臣秀吉ゆかりの地をメインに訪れたのである。

 一日目は彦根の国民宿舎に泊まり、あくる朝、朝食もとらずに彦根を後にして大津に移動。

 駅近くの食堂で朝食をすまして三井寺に向かって歩いていると、観光案内所が目に入り、宿の予約をした。

「荷物を置いて歩き回りたいなら宿にご案内します」と観光案内所のおじさんが言うので、案内してもらうことにした。宿は観光案内所の近くだった。

「今日はまだ寒いですけど、奈良東大寺のお水取りの行事が始まると、春が駆け足でやってきます」

「お水取りはいつから始まるんですか?」

「四日後です」

「・・・」

 私はおじさんの言葉が信じられなかった。

 というのはその朝私は、彦根の国民宿舎前のバス停で猛吹雪にあっていたからである。琵琶湖の湖面は雪まじりの激しい風に荒れ狂い、まるで冬の海のようであった。

「しばれる。しばれるー」とつぶやきつつ、震えながらバスを待った。

 そのような体験をした後だったので、おじさんの言葉が信じられなかったのである。


 ところが、四日後に最終目的地の長浜を訪れたときには、四日前の猛吹雪が嘘のように春めいていた。

 夕方琵琶湖のほとりを散歩した。風もなく、湖面はべたなぎ。

「あのおじさんの言葉は本当だったんだ・・・」

 比良の山々の向こうに沈んでいく夕日を眺めながらそう思った。


 このところ滋賀県の方から立て続けに注文を頂いた。かつて旅をして気に入った土地の方から注文が来るとうれしい。それでこの文章を書く気になった。

 「湖国」というのは琵琶湖沿岸の地域。

 私は「湖国」も好きだが、「湖国」という言葉も好き。また「湖国」をのんびり旅してみたい。
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