「昨夜のブルームーン素敵でしたね」
8月1日の朝、出勤してくるなり千歳が言った。
「あのブルームーンの波動でカードを作りましょう。きっと売れると思います」
「めんどくさいからやだ」
「だったら私が作ります。社長が作るのを見ていて、作り方を知っているので」
千歳は発送業務をほっぽり出して、3時間かけて20枚のノーマルレベルのカードを制作した。机の上にその20枚を並べて首をかしげている。
「何で? どうして? なぜなの? 社長と同じ作り方で作ったのに・・・」
20枚のカードは確かにいい波動を発していた。が、そのどれもが天照の商品として売り物になる波動レベルではなかった。
「どうすんだ、千歳。その出来損ない」
「どうしましょう?」
ちょっと考えてから俺は言った。
「売っちまおう」
「こんな出来損ないを売るわけにはいきません」
「じゃー、どうする?」
「私が引き取ります」
「250円かける20だから、5000円いただきます」
「えっー」
「冗談だよ。ただしそれを作るのに費やした3時間分のアルバイト料は給料から引いておく」
「売っちまいましょう」間髪を入れず千歳が言った。
3時間分のアルバイト料のために良心を捨てる。嘆かわしいと思わずにはいられなかった。
「それを売るのは新規でなおかつそれだけを注文してきたお客さんだけな。ほかのといっしょに見たら、波動のわかるお客さんだったら一目でちがいがわかるから」
「リピターから注文がきたらどうしましょう?」
「リピターの分は俺が作るよ。まったく余計な手間をかけさせて」
「社長が悪いんです。めんどくさがって作らないから。社長として怠慢です」
責任転嫁された。余計な一言を言ってしまったせいで俺は10分ほど千歳に叱られる羽目に陥った。
ブルームーンを見ると幸せになれるって言うけど、嘘なんじゃないか?
「千歳が作ったブルームーンのカード、残り少なくなってる。早く注文したほうがいいぞ。
ポラリス・ポラリス2のものに関してはすべて俺が作っているので、心配いらない」
8月1日の朝、出勤してくるなり千歳が言った。
「あのブルームーンの波動でカードを作りましょう。きっと売れると思います」
「めんどくさいからやだ」
「だったら私が作ります。社長が作るのを見ていて、作り方を知っているので」
千歳は発送業務をほっぽり出して、3時間かけて20枚のノーマルレベルのカードを制作した。机の上にその20枚を並べて首をかしげている。
「何で? どうして? なぜなの? 社長と同じ作り方で作ったのに・・・」
20枚のカードは確かにいい波動を発していた。が、そのどれもが天照の商品として売り物になる波動レベルではなかった。
「どうすんだ、千歳。その出来損ない」
「どうしましょう?」
ちょっと考えてから俺は言った。
「売っちまおう」
「こんな出来損ないを売るわけにはいきません」
「じゃー、どうする?」
「私が引き取ります」
「250円かける20だから、5000円いただきます」
「えっー」
「冗談だよ。ただしそれを作るのに費やした3時間分のアルバイト料は給料から引いておく」
「売っちまいましょう」間髪を入れず千歳が言った。
3時間分のアルバイト料のために良心を捨てる。嘆かわしいと思わずにはいられなかった。
「それを売るのは新規でなおかつそれだけを注文してきたお客さんだけな。ほかのといっしょに見たら、波動のわかるお客さんだったら一目でちがいがわかるから」
「リピターから注文がきたらどうしましょう?」
「リピターの分は俺が作るよ。まったく余計な手間をかけさせて」
「社長が悪いんです。めんどくさがって作らないから。社長として怠慢です」
責任転嫁された。余計な一言を言ってしまったせいで俺は10分ほど千歳に叱られる羽目に陥った。
ブルームーンを見ると幸せになれるって言うけど、嘘なんじゃないか?
「千歳が作ったブルームーンのカード、残り少なくなってる。早く注文したほうがいいぞ。
ポラリス・ポラリス2のものに関してはすべて俺が作っているので、心配いらない」
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