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天照神社物語 お祓いの巻 1
「えーっ」

 綾子は思わず大声を出してしまいました。犬を散歩中のおばさんがくすくす笑いながら通り過ぎました。綾子が今いるのは、天照神社という名の神社の由緒書きの前でした。

「祭神 天照大神 御神徳 なし」

 神社の由緒書きにそう書かれていたら、誰だって驚きます。

 宮司のところには、

「天空昭雄」

 と書かれていました。

 どこかで見たような名前だと思いましたが、綾子はどこで見たか思い出せませんでした。

「もしかしてこの神社はやばいかも・・・」

 綾子はそう思いながら、恐る恐る境内を覗き込みました。見るからに清浄でした。間違いなく神のいる神社です。

 ちょっとためらった後、勇気を出して境内に入りました。外からは見えませんでしたが、社務所の前の木の陰で、緑のトレーナーを着たおやじがのこぎりで板を切っていました。

 トレーナーのおやじが手を止めて、
「こんにちは」と挨拶したので、綾子も挨拶を返しました。綾子は由緒書きについてたずねようとしてやめました。大工さんだと思ったからです。

 賽銭箱の前に立つと、強烈にエネルギーを感じました。故郷、三重県滝原にある瀧原宮と同じ波動でした。瀧原宮の祭神も天照大神です。

 綾子は天照神社のあるこの町に引っ越してまだ一週間でした。新しい土地でのスタートをきれいな心身で始めるため、お祓いをしてもらうことにしました。

 社務所を覗き込んでいると、
「なにか御用でしょうか?」とトレーナーのおやじに聞かれました。
「お祓いをしていただこうと思ったのですが・・・」
「お祓いがどういうものか知っていますか?」
「何度か受けたことがあります」
「みなさん勘違いしていますが、お祓いというのは、あくまで一時的に悪い波動を浄化するだけなのです。早ければ神社を出た時点で、悪い波動になってまた戻ってきてしまいます。たいがい明日の朝までには全部戻ってきます。それでもやりますか?」
「は、はい」少し考えてから綾子はそう答えました。
「分かりました。やりましょう。300円いただきます」
「300円?」聞き間違いだと思い、綾子は聞き返しました。
「そうです。300円です。当社は独自の方法でやりますので、3分で済みます。ですので300円なのです」

 綾子が手渡した300円を無造作にズボンのポケットにつっ込むと、おやじはどうぞと言って歩き出しました。大工だと思ったおやじが、この神社の宮司、天空昭雄なのでした。

 昭雄はふいに立ち止まると、
「肝心なことを聞くのを忘れていました。あなたは天照大神が服装によってひとを判断すると思いますか? たとえば、アルマーニのスーツを着た人間と、姉のお古のトレーナーを着た人間とを区別すると思いますか?」
「いいえ」
「そうですよね。区別なんかしないですよね。この格好のままやらせてもらいます」
「・・・」綾子は返答に窮しました。

 昭雄は背を向けて歩きながら、
「由緒書き、読みましたか?」
「は、はい」
「御神徳なし。驚いたでしょう? 普通は商売繁盛とか宿願達成とか書いてありますからね。」そう言ってから昭雄は振り返り、「あれはジャロ対策なのですよ。商売繁盛のお願いをしたって、かなえてもらえるのはごく少数の人間だけですからね。楽をしようとしてお願いする場合は100%聞いてもらえない。だから私が神主になった時点で書きかえました」

                    つづく・・・。
 

 
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